半田スカラシップ・カンボジア遊学生企画 レポート

【第2期】新たな発見の旅

 今回カンボジア遊学を通して多くの貴重な体験をさせて頂きました。まず一つ目に、カンボジア大学への訪問です。ここでは、異文化コミュニケーションの授業に参加し、多くの学生から日本について質問を受けました。その時、自分がいかに日本のことを知らないかに気づき、また、カンボジアから見た日本を知ることができ、新たな発見もありました。日本の授業風景とは大きく異なり、授業は英語で行われており、学生たちは自分の意見をしっかり持ち、積極的に発言しており、彼らの授業態度を見習いました。

iida_01.jpg しかし残念ながら、まだ教育基盤が整っておらず、学校に行けず働いている子供たちも多く目にし、子供たちは教育を受けるよりも、労働を優先させられ、文字すら読めないという現状を実感しました。教育を受けていないことにより、良い仕事につけず、次の世代、つまり自分の子供にも教育を受けさせてあげられない、という悪循環から抜け出す必要があると感じました。

 30年以上経った今もポル・ポト時代と内戦によって文化と教育制度が破壊された傷跡が残っていることがありありと感じられました。ポル・ポト時代、学校は破壊され、教師はエリートとして殺され、今のカンボジアの教育はゼロから出発したということを聞き、資源の乏しい日本が教育によって国づくりを進めたことと通ずるところがあると思いました。21世紀になった現在、世界の国々はIT革命や国際の発展と闘っている中、カンボジアはまだ文盲と闘っており、国の将来に若者が果たす役割は、他の国に比べてはるかに大きいと考えさせられました。

 そして、何より心打たれたことは、「学びたい」という気持ちが、彼らの中に強くあることでした。生活のために、語学や技術を身につけたいという声を繰り返し何度も聞き、今の日本では失われつつあるように感じました。国が豊かになり、より便利になることによって、人々の心の中から忘れ去られていったものが、カンボジアには多く残っているように感じました。

 また二つ目に、孤児院へ行ったことは、とてもかけがえのない体験となりました。孤児院の子供たちはそれぞれ踊りや歌などの特技を披露してくれ、彼らの才能に驚かされました。幼い子供も、英語を話すことができ、みんな勉強熱心で、興味津々で私に話しかけてくれ、楽しい時間をもつことができました。

 正直、孤児院を訪れる前は、多くの子供たちが心に傷を抱え、外から来た私を温かく迎え入れてくれとは思っていませんでした。実際は、私の予想は大きく外れ、笑顔で接してくれ、食事などを一緒にするうちに、兄弟のように仲良くなることができました。

 私自身、幼い時に父を病気で亡くし、2年前に母が脳卒中で倒れ、半身麻痺の状態で希望を失くしていた時期がありました。しかし、孤児院の子供たちを見ていると、誰も自分の境遇を不幸とは思っているように見えず、前向きで、元気をもらい、励まされました。彼らが将来に希望と目的を見出し、社会へまた世界へと巣立っていくことができるよう切実に願います。

iida_02.jpg 今回のこの遊学の旅で、自分を見つめなおすいい機会を与えられました。最初は不安を抱えながらも、全く知らない地で私は多くの人の支えで助けられました。人は、決して一人では生きていけるものではなく、国境や人種を越えて互いに助けあって生きているんだなぁということを改めて感じさせられました。訪れる前までは、カンボジアについての現状は分っていながらも、何も行動は起こせていませんでした。しかし、地雷、貧困などによる被害を実際に目の当たりにして、遠い外国の話ではなくなり、私にできることはないかと切に考えさせられました。私に限らず、日本の多く人々は、こうした問題に対して、対岸の火事ようにまだまだ無関心なような気がします。

 日本が築いてきた経済力、情報や技術、そして知恵は、これらの深刻化する問題を解決する可能性を大いにもっていると考えます。カンボジアの将来やカンボジアの子供の未来について、それぞれの人が真剣に考える機会が増えれば、少しずつでも改善されると思います。その手助けになればと思い、帰国後、大学での授業での専門ゼミで、カンボジアで体験したことを発表し、現状を伝えました。回りの学生たちの反応は、今までカンボジアについて何も知らなかった、知ったことによって少し身近になった、私にできることがあればしたい、などというものでした。

 このように日本の人々の意識が変わるように、機会あればカンボジアでの体験をこれからも少しでも多くの人々に仕えていきたいです。さらに、カンボジアの素晴らしさを伝えることによって、日本が失いかけている心の豊かさを得ることができるのではないだろうかと考えています。


西南学院大学 飯田 真理子

在福岡カンボジア王国名誉領事館

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