半田スカラシップ・カンボジア遊学生企画 レポート

【第2期】カンボジアの学校と教育を体験

 「カンボジアの子どもたちはなんて目がきれいなのだろう。会ってみたい。話してみたい」。テレビ等でカンボジアの子どもたちを見る度にそう思っていた。その思いをカンボジア遊学という機会を頂き、叶えることができた。

takeshita.jpg カンボジア滞在中には4つの場所で子どもたちに会うことができた。一つ目の場所は遺跡観光へ行く途中に発見した「熊本ライオンズクラブが設立した学校」である。突然の訪問に子どもたちは初め驚いた様子であった。言葉は通じなかったが、子どもたちの写真を撮り、その写真を子どもたちにみせてあげるとニコニコ笑ってくれた。

 二つ目の場所は現地で出会った日本人に教えて頂いた「クメール・ヘルプ・クメールが支援している学校」である。クメール・ヘルプ・クメールとはその名の通り、クメール人が貧しいクメール人を支援する団体であるらしい。その学校では日本語と英語の授業が行われており、子どもたちは日本語と英語を交えながら話しかけてくれた。授業は単語の意味・発音、会話表現まで暗唱形態で徹底して行われていて少し厳しい感じがした。その学校の何人かの子どもたちと一緒にアンコールワットの夕日鑑賞に行き、絶好の場所で食パンと青いマンゴーを食べながら過ごしたことは素敵な思い出である。

 三つ目の場所は「未来の光孤児院」である。まず、小学校低学年の授業を見学させて頂いた。パソコンの授業では、タイピングのゲームを取り入れてあり、みな楽しく学習しているようすであった。ブラインドタッチを習得している子もおり、日本の同年代の子よりもずいぶん高度な能力を身につけているのがわかった。算数や英語の授業もクメールヘルプで行われている授業内容より体系的で丁寧である印象をうけた。また、孤児院内には図書館もあり、子どもたちに本を読む機会も与えられていた。アプサラダンスやカンボジアの伝統楽器、刺繍を練習するための場所も設けられていた。想像していた以上の教育環境であった。カンボジアの伝統音楽に興味があったので楽器を見せて頂き、ある男の子は伝統楽器(笛)の演奏を聴かせてくれた。口からは息を吸わず、鼻から息を吸うという独特の演奏方法で、音色も今までに聴いたことのない魅力的なものであった。次に、孤児院の子どもたちと昼食をご一緒させて頂いた。小さな魚をうまく食べきれずにいる私に気づいた子が、さりげなく魚を食べやすくほぐしてくれて、子どもたちの優しさに触れた。午後はご一緒していた遊学生の森さんが子どもたちに書道を教えられるとのことだったので参加させて頂いた。子どもたちの興味津々の顔、緊張した様子で筆を握りしめる姿が忘れられない。

 最後は「愛センター」である。愛センターは民家の庭を利用した授業料無料のフリースクールである。私はここで五日間ほど過ごした。授業は日本語、英語、韓国語、理科、社会などが行われていた。青年海外協力隊の方が行う理科の授業には、実験やワークシートが用いられ、子どもたちの興味・関心を大切にした授業が展開されていた。私は音楽の授業をする機会を頂き、「あんたがたどこさ」を用いた手遊びと「きらきらぼし」を用いた音抜き遊びを行った。授業の最後に子どもたちがお礼にと歌を歌ってくれたときには音楽は感謝の気持ちを表現する際にも有効なのだと知った。授業後の休み時間に、ある男の子が私の板書を自分のノートに写し、「忘れないように残しておくよ」と言ってくれたことが本当にうれしかった。愛センターに通っている子どもたちはとても人懐っこく、朝会うと必ず「おはようございます」帰宅するときには「さようなら先生。また明日。」と手を合わせながら言ってくれた。日本語の勉強にも意欲的で休み時間には「日本語で一日はついたちだけど二日はなんというのですか?」と質問してくる子もいた。みんな元気いっぱいで、ボール遊び、かくれんぼ、鬼ごっこで遊んでいた。私は一日中笑顔の子どもたちに囲まれて過ごすことができ本当の幸せとはこういうことを言うのだろうなと思った。

 カンボジアにはクメールヘルプや愛センターのように青空教室で学ぶ子どもたちと未来の光孤児院のように整った環境のなかで学ぶ子どもたちがいることを知った。しかし、子どもたちが素直で、元気いっぱいで、無邪気で、よく笑うということは共通していた。

 私は小学校教員を志している。教育実習では、朝から夕方まで、学年別に、様々な教材・教具が用いられた授業を受けている子どもたちを見てきた。そしてそれを当然のことのように思っていた。カンボジアの低学年・高学年という枠組みの中で、一日平均二~三時間しか授業を受けていない子どもたちに出会えたことで私の考えは一転し、視野は大きく広がった。このことは教員を目指すにあたって貴重な糧になるであろう。そして将来、カンボジアの教育に関わることがしたいと思うようになった。できることなら音楽の授業がないカンボジアという国で長期間、音楽の授業をやっていきたいと思う。


佐賀大学 武下 彩

在福岡カンボジア王国名誉領事館

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