半田スカラシップ・カンボジア遊学生企画 レポート

【第5期】経済発展と今後の支援の在り方

「発展」真っ最中!
koumoto_01.jpg  カンボジアは世界遺産・アンコールワットがあり、各所に歴史ある寺院や建物が多く残っており世界各国から観光客が訪れる国である。フランス統治が長かったため、カンボジアの至る所にフランス様式の建物も残っていて、アジアとヨーロッパの雰囲気が混ざった、なんとも魅力的なところである。一方で、ポルポト政権下の大虐殺はまだ記憶に新しく、その影響は40年経った今も残り、悲劇の国・アジアの最貧国としても知られている。

 1992年に国連が参入してから、世界各国の支援を受け少しずつ経済発展を遂げてきた。日本も例外ではなく、2011年までに約2,600億円(外務省2011)の資金・技術協力を行っている。近年では、イオンなど日本の企業も進出しており、次のマーケットとしても注目を浴びている。経済発展は凄まじいスピードで進んでいる。プノンペンにはレクサスなどの高級車が走り回り、高層ビルの建設も急ピッチで進み、遊園地、デパートなども見られ、街全体に活気が溢れている。そんなカンボジアへ在福岡カンボジア王国名誉領事館が主催する半田スカラシップ遊学プログラムを利用し、訪れた。私は「特定非営利活動法人カンボジア教育支援フロム佐賀」という団体に所属している。当団体は、1998年に設立され、カンボジアのプレイベン州リング村という水道も電気も通っていない村に中高一貫校を建設し、運営支援を主に行っている。このこともあり、今回のカンボジア滞在は教育現場を重点的に見ることにした。

koumoto_02.jpg 「教育」の現場から
 今回、私は初めて孤児院を見学させて頂いた。プノンペンの郊外にある「未来の光孤児院」はとても広大な敷地の中に宿舎や、学習スペース、図書館などがあり、施設が充実している。孤児院と聞くとどうしても暗く、悲しいイメージがあるが、とても明るく清潔で子ども達の笑顔が溢れる孤児院であった。門をくぐってすぐに対応してくれた学生がとても流暢な英語で対応して下さり、同行したカンボジア人の友人も驚いていた。

koumoto_03.jpg  それもそのはず、ここでは、パソコンや英語の授業を受けることができ、学校で使用する教科書なども1人1冊が準備されており、一人ひとりがきちんと教育を受けることができる。授業内容やタイムスケジュールがきちんと組まれており、子ども達がここから出た後も、いかにして自立して生きていけるかということを念頭に置いた孤児院だと感じた。人材も充実しており、40名のスタッフ、その中にはケアワーカーもおり、精神的なケアも行われていた。


koumoto_04.jpg koumoto_05.jpg  次に、カンボジア・王立プノンペン大学日本語学部の授業風景や図書館を見学させて頂いた。ここ最近の日本企業のカンボジア進出を受け、日本語学部も人気となっている。日本語スピーチコンテストも年に一回開催されており、カンボジア国内から多数の人たちが応募する。優勝者は日本に短期留学できることや、日本カンボジア友好60周年ということもあり、大変な盛り上がりをみせていた。将来の夢を語る者、家族のことを語る者、応募者は思いを流暢な日本語でスピーチした。その熱い思いが胸を打った。子どもたちの笑顔も、学ぶ姿勢も本当に輝いて見え、感銘を受け、衣食住の確保、教育を受けることの重要さを再認識することが出来た。

koumoto_06.jpg  その後、カンポット州にある職業訓練校も訪れた。こちらではJICAから派遣された日本人の方がおり、校内を案内していただいた。職業訓練校では、電気工事、車の整備、服飾(パターン、ミシン)、パソコンの授業が行われていた。授業内容や設備に関しては日本と比べると充実しているとはいえないが、二年間で手に職をつけることができ、卒業すれば一家の稼ぎ頭になれることもあり、学生たちは一生懸命学んでいたが、家庭の事情でドロップアウトする学生も少なくないという現状を知ることもできた。

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またここでは、アジア開発銀行の資金援助によるプロジェクトも多数行われており、農村部の人々への食品加工技術のプログラムなどが実施されていた。しかし、悲しいことに支援が終了するとプロジェクトも終了してしまう。持続可能で自立させられる支援内容の模索が必要であると感じた。

最後に
 シェムリアップ、プノンペンと、私たちの団体が支援する学校のあるリング村以外の所に、初めて行くことができた。一番、印象的だったのはプノンペンからバイクで1時間ほどの古都・ウドンである。 koumoto_08.jpg
 1866年までカンボジアの首都であったウドンには歴代の王の墓や、黄金に輝く寺院があり、山の上から見下ろすと、どこまでも田園風景が続き、緩やかな時間が流れている場所だった。しかし、一方で他の観光地と同じように物売りの子どもも多く、観光客から学んだであろう英単語を使い観光客に群がる。さまざまな国々が支援し、現在では経済市場として注目を浴びているカンボジアで、私は発展とそのはざまで一生懸命に生きている人々を見ることができ、明るい未来を感じたのと同時に農村部の発展の遅さにも悲しさを覚えた。
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 これからの益々の発展の為には、国全体のボトムアップが必要で、そのためにはもうしばらく支援が要るのだと感じた。日々、生きる為に一生懸命な子供たちの笑顔と将来の夢に向かっている子供たちの笑顔、どちらの笑顔も愛おしかったが、出来れば将来の夢を叶える為に学べる子供たちが溢れる国になる事を願っている。私たちの団体もその時の状況に応じて支援内容を試行錯誤しながら自立を促していく支援をしていくことが必要である。

 今回、様々な体験をさせて頂くきっかけをくださった在福岡カンボジア王国名誉領事館と、カンボジアで出会った方々、滞在中に助けてくれたたくさんの友人に心から感謝したい。


カンボジア教育支援フロム佐賀 甲本美佐

在福岡カンボジア王国名誉領事館

  • 開館日 月曜日~金曜日
  • 閉館日 土曜、日曜、日本の祝日
  • 開館時間 9時半~17時半
    (※ビザの申請・発行は12時半まで)

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開館時間 9:30~12:30
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