半田スカラシップ・カンボジア遊学生企画 レポート

【第11期】貴重な経験

image1.jpg はじめに
本プロジェクトは、「カンボジアと九州、アジアと九州しいては日本をつなぐ“架け橋”になっていただきたい」という願いのもと在福岡カンボジア名誉領事館が主催し、西日本新聞社様が後援していただいているプロジェクトです。

遊学のきっかけ
青年海外協力隊に参加している友人や、海外を舞台に活躍している友人への憧れやその友人たちに追いつけるきっかけになればと思い遊学を志望しました。また、学生生活の最後の夏休みを無駄にしたくなく、生まれて初めての海外渡航という人生における貴重な経験をしたいと考え参加しました。 遊学の目的
目的としては、4点あります。1つ目が、私の尊敬している本田圭佑氏が行っているカンボジアのサッカーの力の強化、カンボジアにおける本田圭佑氏の影響力を肌で感じる事。2つ目が、カンボジアを舞台に活躍している日本人のお話を聞くこと。3つ目が、カンボジアの教育事情や、私自身が研究対象としているICT教育がどれだけ普及しているかを学ぶこと。この3点を主な目的として渡航させていただきました。

遊学計画
全10日間のカンボジア滞在のうち、前半3泊をシェムリアップ、後半6泊を首都プノンペンに滞在しました。シェムリアップでは、カンボジアで活躍されている日本人のお話を聞くこと、世界遺産で有名なアンコールワットや、カンボジア文化であるクメール文化について学ぶことにしました。また、プノンペンにおいては、カンボジア大学の訪問、カンボジアサッカー代表の試合を観戦する事、カンボジア日本語学校にてお話を聞くことを計画しました。
在福岡カンボジア名誉領事館とのつながりもあり多くの方々が心よく訪問を許可していただきました。ありがとうございました。

遊学目的の達成
① 本田圭佑氏の影響力 image2.jpg
こちらの写真首都プノンペンにて撮影したものです。カンボジアのサッカー人気は高く、広告の看板には本田圭佑氏の顔写真が使われているものや、有名サッカー選手の顔写真が使われていました。また、街ゆく人々の中にもネイビー色のカンボジア代表ユニフォームを着ている人を多く見かけ、カンボジア代表に寄せる期待があらわれていました。
9月5日のワールドカップアジア二次予選、カンボジア代表対香港代表の試合を観戦しようと計画していましたが、あまりの人気の高さにチケットが完売で観戦できませんでした。「数年前はチケットをとることは難しくなかった」「本田圭佑が監督になってからサッカーの人気がより高まった」とホテルの従業員が教えてくれました。ここでもサッカー人気の高さ、本田圭佑氏の影響力を肌で感じることが出来ました。しかしながら、多くの縁も重なり、カンボジア代表の練習を後日拝見することが出来ました。本田圭佑氏の熱い声やメッセージがサッカーグラウンドから離れた場所でも伝わる緊張感のある練習現場でした。また、カンボジア代表のサッカー選手と本田圭佑氏とを見比べた時に大きく違うことが立ち姿でした。姿勢から自信が伝わりましたし、一瞬で彼と分かるオーラを感じることが出来ました。この立ち姿に私をはじめ、カンボジアのサッカー選手やカンボジア国民が惹かれているのかもしれないと感じることが出来ました。

② 活躍されている日本人
半田晴久氏をはじめとした多くの日本人がカンボジアという国で活躍されています。遊学期間中に教育、ビジネスの分野から3名のお話をお伺いする予定でしたが、仕事の都合により1人からお話をお伺いすることが出来ませんでした。教育の分野で活躍されている2名の方からお話をお伺いできたのでまとめました。
 たくみ日本語学校 今井氏
 たくみ日本語学校の説明
・生徒数80名(12歳~40歳まで)
・午前授業8時~12時、午後授業15時~20時
・1人1時間(希望があれば2~3時間の授業も受けることができる)
・教材「みんなの日本語」
・授業料は無償
男女問わず“日本で働きたい”“日本語学校の先生になりたい”等の強い思いをもって仕事や学校を終えてから学びに来ていました。授業にも参加させていただきましたが、生徒一人一人の目が輝いており、その日に学習したことをその日のうちに自分のものにしようという必死さが伝わってきました。
 今井氏のお話
出口教育の重要性を熱く語って下さりました。
・出口教育とは、働くため・生きる為に勉強する事。
・教える側が出口をしっかり設定しないと学ぶ側は勉強に身が入らないこと。
・社会と一番近い大学や高校を強化しなければならない。
・日本における出口教育を体現したものがキッザニアであること。
また、教育と学習の違いも教わることが出来ました。教育は、第三者の力で子供が成長する事。学習は、自ら勉強して成長する事。ここたくみ日本語学校では“学習”を自ら進んで行えるようにきっかけを与える場として存在していました。今井氏の「不幸な子供が幸せな大人になれるようなことを証明したい」という強い思いのもと打ち出す教育改革に非常に感銘を受けました。自分ができることは些細なことかもしれませんがお力添えしていければと考えています。

プノンペン日本人学校 上野氏
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プノンペン日本人学校の説明
・世界に82か所ある日本人学校の一つの学校
・2019年5月時点で生徒数49名
・企業の駐在の子供が多い(2~3年で転勤)
・日本の小中学校に準拠した教育を行っている
・運動会や学習発表会も行っている。
上野氏は福岡県の出身ということもあり教育のお話や地元話など心落ち着く時間でした。上野氏が日本人学校で働いている理由を問うと、海外から日本に戻ってくる稀有な存在の子供たちが、日本の友達になじめずにいじめられている実情を体験して“日本と海外との懸け橋に”“どうにか困っている子供たちの力になれないか”との強い思いのもと働かれていました。また、子供たちのなかには日本にいたいという子供たちもたくさんいて、初めは苦労したそうです。しかし、その子供たちに、「カンボジアに来てよかった」「カンボジアを日本の友達にも広めたい」と言ってもらえるような支援を行った結果、今では悩む子供が1人もおらずに皆が伸び伸びと勉強や運動に励んでいるとのことでした。
苦労点として、情報は入るがモノがないと語ってくれました。しはんテストや社会科の教材など今すぐいるものがなかなか届かない、送ってこないことが多々あるそうです。この苦労を打破するために、カンボジアのWi-Fi等の通信力を活かしたデータの送受信でテストを受けることができる仕組みや、リアルタイムで見ることができる社会科の教材サイトの作成、日本の学校、子供たちとのつながりを深める為の工夫など様々な支援ができることがありました。今後の人生に必ず生かし、子供たちの為に自分ができる事を行っていきたいと考えます。

③ カンボジアの教育事情、ICT教育
カンボジア大学を訪問した際に、大学の教育学部主任にあたる先生からお話を聞くことが出来ました。インタビュー形式でお話を聞くことが出来ました。詳細をまとめました。また、カンボジア大学においては半田晴久氏の偉大さ、カンボジアへの影響力を、身をもって感じることが出来ました。大学の案内をしていただいたGina先生をはじめカンボジア大学の関係者様、テレビ局の皆様に感謝申し上げます。

・教育において大切にしていることは何ですか。
教育プログラムを大切にしている。将来生きていく為に特に言語、言葉が大切で、外国語をはじめとして力を入れて取り組んでいる。

・子供たちに何を重要なものとして伝えていますか。
カンボジアの教育書が一番重要で、その中でもSTEAM(技術・数学・エンジニア・美術)教育に力を入れている。日本の教育書を参考にしている。

・田舎と都市部の教育格差などはありますか。
基本的には変わらない。先生一人一人が厳しい教育学校を出ているので。各学校と提携して、大学1年生から4年生まで勉強しながら教育実習に参加している。先生になりたいという強い思い、意志のもときついだろうが生徒は頑張っている。

また、カンボジアのICT教育についてもお伺いしましたが、日本とカンボジアとのICT教育の捉え方に少し違いがあったようです。カンボジアでは、ICT教育=パソコンの技術の様な捉え方で、プログラミングの仕方、研究する際に必要な論文探し方、パソコンを用いた勉強の仕方、スマートフォンの使い方などを小学生のころから教えているそうです。先生にとってICTは基本中の基本で、良い先生の基準としても用いられることがあるみたいです。
カンボジアの学生と授業を受けさせていただく機会を作っていただきました。ビジネスを専攻しているクラスに参加したのですが、実際に働いた時を想定したシュミレーションや、スタートアップ企業を立ち上げるときのおさえるべきポイントのプレゼンテーションなど、非常にレベルの高い授業を行っていました。日本の学生より優秀な人材が育っている理由が分かったきがしました。私も彼ら彼女らに追いつき追い越せるように学びを深めていきます。

まとめ
この10日間という短い時間でしたが、憧れの本田圭佑氏を近くに感じることが出来ましたし、見習うところがたくさんあると感じました。また、カンボジアを良くしようと多くの日本人が活躍し、貢献されていることを知り、自分の小ささや、これから学んでいかなくてはいけないこと、学んだことを還元できるような力を付けていきたいと感じました。日本人であるだけで感謝されることもあり、日本人としての誇りも感じましたし、自分にできる小さなことでも喜んでくれる人が多くいることに気付くことが出来たので、些細なことでもカンボジアという国にとどまらずに貢献していきたいと感じました。カンボジアという国で胸を打たれた言葉、“knowledge is property” という言葉を胸に刻んで残り少ない学生生活ですが、アジアの架け橋となれるよう、学びを深めていきたいと考えています。

謝辞
本遊学の審査員長でもある半田晴久氏をはじめとし、在福岡カンボジア名誉領事館の長野陽子氏、西日本新聞社の中田博文氏、本遊学の関係者様に心より感謝いたします。面接や遊学に関わる手続き、準備等、お忙しい中お時間を頂きありがとうございました。また、カンボジアにてお世話になった全ての方々に心より感謝いたします。ありがとうございました。

第11期生 西南学院大学 人間科学部児童教育学科  久場星彰

在福岡カンボジア王国名誉領事館

  • 開館日 月曜日~金曜日
  • 閉館日 土曜、日曜、日本の祝日
  • 開館時間 9時半~17時半
    (※ビザの申請・発行は12時半まで)

年末年始、ゴールデンウィークなどの特別期間は、その都度お知らせします。

開館時間 9:30~12:30
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