半田スカラシップ・カンボジア遊学生企画 レポート

【第11期】遊学生レポート

遊学の目的
当初、私の本遊学の目的は「発展途上国の農業の現状を目の当たりにし、自分が将来農学の専門家としてできることは何なのかを考える」というものでした。私は現在農学部で土壌の化学特性について研究しており、学部3年次にはアメリカの大学に交換留学をしました。将来は、発展途上国で日本の優れた農業技術を普及させるような企業に就職したいと考えています。ですがまだ私は発展途上国へ行ったことがなく、学部生として最後のこの夏休みにカンボジアへ渡航し、農業を含めた発展途上国の現状を目にしたいと思い、本遊学プログラムに志願致しました。

遊学生に採用されてからカンボジアへ渡航するまで
遊学生に正式に採用されてからは非常に慌ただしい日々でした。ビザの取得、航空券及び宿の予約、そして何より大変だったのが現地で農場を見学させていただくためのアポイントを取ることでした。インターネットや知人をあたり、カンボジアで現在農業支援をされている日本人の方に連絡を取り、私のカンボジア滞在中に農場を見せていただく約束をすることができました。実は最終的に私のカンボジアでのスケジュールの都合で農場を見学することはできなくなってしまったのですが、この方には日本人から見たカンボジアの現状、今後の展望など多くのことを教えていただきました。次回カンボジアへ行く機会を得たら、ぜひこの方の農場を見学しに行きたいと考えています。

カンボジアでの日々
image1.jpeg カンボジアではまずプノンペンにあるカンボジア大学を訪問しました。現地で私の受け入れを担当してくださったGina. V. Lopez先生は気さくな方で、訪問中はとても良くしていただきました。私はカンボジア大学を計4日間訪問したのですが、その中でカンボジアの歴史に関する授業や国際経済学の授業などに参加させて頂いたり、100%カンボジア資本の企業が経営する工場の見学に参加しました。大学の授業の中で驚いたのが、学生の多くが英語の教科書を使い、英語で授業を受講していたことです。
image2.jpegのサムネール画像 カンボジア大学ではカンボジアの現地語であるクメール語と英語の両方で授業が開講されており、学生の多くは英語で授業を受講しているとのことでした。そのため、カンボジア大学の学生は皆さんとても英語が上手で、日本の大学でももっと英語で授業を行う機会を増やすべきだと感じました。
image3.jpeg 工場見学では、CHIP MONGというカンボジアの企業が経営するビール工場を見学しました。工場内はとても清潔で新しく、自分の想像を大きく上回るものでした。見学を通して、現在外国資本の企業が多く進出するカンボジアで、もっとカンボジア資本の企業を増やしたいという社員の方の熱い想いを感じました。
image4.jpeg 週末には、Gina先生に彼女の過去の卒業生でプノンペン郊外のタケオ地方にあるCEDACという団体が経営する農場で働いている方を紹介していただき、その方に農場へ連れて行っていただきました。その農場では、パパイヤやドラゴンフルーツなどのフルーツを中心に栽培しており、広い農地を区画で分け、それを都市部で暮らす人々に販売し、彼らが平日都市部で仕事をしている間は農場周辺の田舎で暮らす人たちが農作物の手入れをすることで、地方での雇用を拡大することをコンセプトにしていました。
image5.jpegのサムネール画像 カンボジアでは近年経済が急速に発展している関係で、都市部に暮らす人々は緑に囲まれた場所で息抜きを必要としており、そのニーズを狙ったそうです。カンボジアには首都にもまだ電車がなく、人々の移動の手段はバイクがほとんどです。そのため、街中は空気が非常に悪く、都市部で暮らす人々が空気の綺麗な田舎での息抜きを欲している理由も分かる気がしました。農場には農業機械が無く、人々は手で種を植えていました。
image6.jpegのサムネール画像 農業機械はまだまだカンボジアには少なく、機械に頼らない農作業はカンボジアの農業の主流です。農業機械がカンボジアに入れば、農業の効率は格段に上がり、農家もより裕福になると思います。私はこの現実を目の当たりにし、日本の優れた農業機械をカンボジアに輸入してカンボジアの農業を発展させたいと強く思いました。
image8.jpeg また、プノンペンにある未来の光孤児院も訪問しました。孤児院で暮らす子供達は、私が訪ねると「ハロー、シスター」と声をかけてくれました。私が携帯に保存していた日本の写真や他の国へ旅行へ行った時の写真を見せると、どの子供達も目を輝かせ、「これは何の写真?」とたくさん質問をしてくれました。孤児院を管理しているVirasyさんにお話を伺うと、この孤児院には年間を通して世界中から様々な個人や団体が訪問してくるそうで、そのおかげで子供達はみんな英語がとても上手になったのだそうです。孤児院で子供達と一緒に過ごした時間は長くはありませんでしたが、私が帰る時にはみんなとても名残惜しそうに私を見送ってくれたことが今でも強く印象に残っています。
image7.jpeg また、カンボジア訪問の最後にはシェムリアップに寄り、世界遺産であるアンコールワットを見に行きました。世界でも有名な観光地であるシェムリアップには世界中から多くの観光客が訪れており、とても多国籍で賑やかな街でした。

カンボジア遊学を終えて
当初の私の遊学の目的はカンボジアの農業の現状を知ることでした。ですが、この2週間の滞在で、農業という側面以外の視点からも急速に成長を続けるカンボジアという国を見ることができました。都市部にはショッピングモールやビルの建設があちこちで進められていて、経済の発展を感じる一方、大通りから一本道を外れると古くからあるような家やきちんと舗装されていない道があったりなど、街並みが画一されていない、ちぐはぐな印象を受けました。そして、高齢化が深刻な問題になっている日本とは対照的に、カンボジアは若者がとても多い国です。その背景には、長く続いた戦争、1970年代後半のポル・ポト政権による大量虐殺という悲しい過去があるのですが、若者に支えられた豊かな労働力は経済発展の大きな強みだと言えます。また、日本が道路などのインフラ整備においてカンボジアを継続的に支援している関係で、カンボジアの人達は日本人にとても良い印象を持ってくれています。まだまだ発展を続けるカンボジアという国が5年後、10年後どう変わっていくのか、ずっと見続けていきたいと思いました。最後に、この遊学を支援してくださった在福岡カンボジア領事館様、西日本新聞社様、そしてカンボジアで出会った全ての方々に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

九州大学農学部生物生産環境工学分野4年 横田優帆

在福岡カンボジア王国名誉領事館

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