きよらのカンボジア留学体験記

福岡教育大学初等教育教員養成課程で美術専修の2年生。2014年に在福岡カンボジア王国名誉領事館が実施する「半田スカラシップ~カンボジア遊学生」の第6期生としてカンボジアを訪問したのを契機に、美術でできる支援のあり方を考えるため、カンボジアに1年間留学中。

バッタンバンでコラボ・コンサート

 音楽が専門の青年海外協力隊・森本早紀さんとコラボ・コンサートをバッタンバンの「CAFE HOC(カフェ・エイチ・オー・シー)」で行いました。カンボジアでは音楽教育も美術教育もほとんどありません。あっても、楽器の実物がないため子どもたちは音なんかほとんど聞いたこともありません。楽器名だけ覚えさせられたり、美術教育では古代クメール装飾デザインの名称の暗記や模写のテスト(キャラクターなど)ばかりです。そして意味もなく点数と評価をつけられます。
今回のコラボ・コンサートでは、私がバッタンバン州のノリア孤児院(Hope of Children)にいる時に図工教育をして、子どもたちがつくった作品を、「白鳥の湖」の物語にのせてスライドショーで流しました。そしてオーボエ、ピアノの生演奏が場面のテーマに合わせて弾かれました。
 なんと前後には青年海外協力隊による生オペラと、日本人アーティストによるギター演奏もあり、ハイクオリティな音楽を身近で聞ける素敵な時間でした。子どもたちは自分の絵や友達の作品が出ると笑いながら指を指して「きよら、これ僕の!私の!」と言ったり、ピアノの演奏者の指を真似して空気中で弾いたり、オペラの真似をしていました。
当日は、朝からCAFEで働いている孤児院の大きいお兄ちゃんお姉ちゃんたちが、今日のために美味しいおもてなしディナーを作ってくれました。私も手伝いましたが、みんな汗だくでヤケドになりそうになりながら40人分くらいを作ってくれ、あぁ本当にありがたいなぁと思いました。
「芸術教育はお金がかかり、お金持ちでなければできないこと。結局芸術教育ができるということは国が経済的に豊かな証拠なのか。お金がなければ芸術はできないものなのか?本当にそうなのか。私がまだ経済的に自立していないから分かるはずもないことなのだろうか」と、ずっと考えていました。
「音楽教育も美術教育も確かにお金はかかるが、人間の表現したいという欲求から生まれたはずです。だから何か音のなるものを叩き、炭を唾液と口の中で混ぜて吐き出し、壁に形を描いて自己表現し、他者と共有してもっといいものにしていこうと試し、工夫して発展させていったのだ」と思います。だから芸術は決してお金持ちの趣味なんかじゃなく、人間に不可欠なものなのだと思います。それだけは確かだと思います。「お金がなければできない芸術教育」と言わせないために、カンボジアにある自然の物や伝統染色の技術を生かした芸術教育をこれから研究していきたいと思います。

在福岡カンボジア王国名誉領事館

  • 開館日 月曜日~金曜日
  • 閉館日 土曜、日曜、日本の祝日
  • 開館時間 9時半~17時半
    (※ビザの申請・発行は12時半まで)

年末年始、ゴールデンウィークなどの特別期間は、その都度お知らせします。

開館時間 9:30~12:30
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