きよらのカンボジア留学体験記

福岡教育大学初等教育教員養成課程で美術専修の2年生。2014年に在福岡カンボジア王国名誉領事館が実施する「半田スカラシップ~カンボジア遊学生」の第6期生としてカンボジアを訪問したのを契機に、美術でできる支援のあり方を考えるため、カンボジアに1年間留学中。

ECO CITY PROJECT~環境教育をアートで行うイベントに携わる

 2月26日から29日の4日間に首都プノンペンの川沿いで「ECO CITY PROJECT」 という環境イベントに携わらせていただきました。これはデザインで社会貢献するデザイン会社「social compass」やJICA、それに環境に関する企業や団体の方々が行なっていました。 
 それは、JICA がプノンペン市内に作った地下水路を活用して、多くのカンボジア人と環境について考えるイベントです。内容としては、子どもたちが描いた魚や花や星の絵をプロジェクションマッピングで地下水路に映し出し、ゴミのポイ捨てがなぜいきものや環境に悪影響を与えるのかということをストーリー仕立てで伝えたり、リサイクルの方法を伝えたり、川沿いに落ちているゴミをみんなで拾い、タイヤで作った大きいゴミ箱に捨てるワークショップを行ったりしました。
 日本語学校の生徒たちや、今まで私がプノンペンでワークショップを行なってきた孤児院やフリースクールの子ども達も参加しました。プロジェクションマッピングに投影するための絵は塗り絵でしたが、下絵の枠線をはみ出すことに囚われることなく描いていた姿が大変印象的でした。少し久しぶりに会うフリースクールの愛センターは先生方も一緒に参加・引率されました。先生方と話していると、なんと最後に愛センターで行った授業「オリジナルキャラクターをつくってお話を考えよ う」という授業からヒントを得て実際に絵本を一人一人作る授業をされたそうです。5月頃にワークショップをしに行った孤児院の子どもたちと先生にも再会することができました。
 私は、「social compass」さんが作った「ワッティー」という、アンコールワットを模したゆるキャラの人形を着て、子どもたちと一緒に絵を描いたり、誘導したり、ゴミ拾いをしたりしました。キャラクターを使って「環境教育」という難しいことを、人々に受け入れやすいよう工夫していました。子どもたちは、自分が描いた絵がプロジェクションマッピングで壁に映し出され、動いている様子を不思議がったり楽しんだりしていました。
 暑さが厳しい中、集中してゴミ拾いをする若者や子どもたちもいました。その中に77歳の老夫婦がいました。高齢にもかかわらず、力強い足取りで川沿いを若者たちと一緒に歩き、暑い日差しの下、長い間かけてゴミ拾いをしました。「ゴミ拾いや環境についてカンボジアの人に伝えるのはとてもいい活動だ」とおっしゃっていました。彼らは孫とひ孫と共にこのイベントに参加してくれました。ゴミはたくさん集まり、イベント会場の川沿いのごみはほとんどなくなっていきました。
 ストリートチルドレンや周辺で物を売っている子どもたちも、4日間続けて遊びに来ました。クレヨンや色鉛筆を使っての塗り絵やお絵かきに夢中になったり、描いたままブルーシートの上で寝たり、プロジェクションマッピングの動く絵をずっと観ていました。薬物使用で目がうつろになっていて、夜はほかのグループの子どもとけんかするような子どもでも、「ワッティー」を大好きになってくれたり、絵に夢中になっていました。
 今回のイベントは企業や富裕層だけでなく、様々なカンボジアの子どもや若者や高齢者までも参加できるようなイベントでした。今後このイベントの内容がどれほどの影響を与えるかは分かりませんが、きっととても意味のあるイベントになったと思います。
 カンボジアで友達になったカンボジア人の中に、こんな人がいました。彼は現在27歳で日本語通訳をしています。たくさんのNGOにひっぱりだこの毎日のようです。日本語を勉強したいと思ったきっかけは、自分が幼いころに日本人から支援をたくさんしていただいたからだそうです。交流がきっかけで日本を知り、日本語に興味を持ち始めたそうです。このように、私たちも経験があるように、ちょっとした接点がきっかけで人や人の人生に影響を与えます。一週間後忘れたとしても、今回のことが何らかの形で、参加者一人一人の人生に影響するのだろうと思いました。

在福岡カンボジア王国名誉領事館

  • 開館日 月曜日~金曜日
  • 閉館日 土曜、日曜、日本の祝日
  • 開館時間 9時半~17時半
    (※ビザの申請・発行は12時半まで)

年末年始、ゴールデンウィークなどの特別期間は、その都度お知らせします。

開館時間 9:30~12:30
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