カンボジア&九州ニュース

池内桃子さんの こんなとこだよ!カンボジア/バンブートレインで冒険気分

 前回のコラムは、こちらではメジャーな乗り物の「トゥクトゥク」を紹介しましたが、今回は乗り物関連でもう一つ、変わり種をご紹介します。ところはバタンバン。市内から20分ほどで着く郊外に「バンブートレイン」なるものに乗れるところがあるのです。

 トレイン=列車と言っても「ちょっとプノンペンまで…」といった代物ではありません。それはなんと、竹製の床に乗客が座り、むき出しのエンジンで動くお手製のトロッコ列車なのです(写真のように1台のみで走るので、列車とは呼べないかもしれませんね)。

 今ではすっかりバタンバンの観光名物の一つです。線路が廃線になって以来、村民たちが荷物などを運ぶために、この列車を作って使うようになったのだとか。線路のつなぎ目に段差があり、そこに乗り上げるたびにガタン、ガタンと揺れるので、決して乗り心地がいいとは言えませんが、木々の間をくぐり抜けていく際は、ちょっとした冒険気分を味わえます。

 私がいつもカンボジアの人たちに感心してしまうのは、こんなふうに柔軟な発想で、自分たちで何かを作って日常生活に活用してしまうところです。ないなら作ろう、あるものを生かそうという姿勢は、ぜひ見習いたいと思わずにはいられません。生活のために作った列車を、今ではガイドブックに載るほどの観光名物にしてしまう商売っ気があるところも、彼らの柔軟さを物語っているように思えます。 (シエムレアプ在住サーカス団職員)


写真:バタンバンで人気の「バンブートレイン」。乗客は竹製の台座に座る

在福岡カンボジア王国名誉領事館

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