- 開館日 月曜日~金曜日
- 閉館日 土曜、日曜、日本の祝日
- 開館時間 9時半~12時半
年末年始、ゴールデンウィークなどの特別期間は、その都度お知らせします。
福岡県粕屋町の元高校教師、西村繕久仁(よしくに)さん(60)がカンボジアで孤児を育てる施設の建設計画を進めている。併設するリゾート施設の収益を運営費や孤児の生活費に充て、寄付に依存しない施設を目指す。開設予定は2018年末。生涯をカンボジアの子どもたちにささげるつもりだ。
西村さんは福岡の県立高校で生物を教えていた。47歳の時に2年間休職し、環境問題の研究で海外を回った際、東南アジアや南米で路上生活をする孤児たちを見て衝撃を受けた。
「自分も何かできるのではないか」と思いが募り、50歳で退職。不動産経営に転身して資金をため、孤児院建設の準備を始めた。当初はベトナムに造る考えだったが、孤児対策の遅れが目立つ隣国カンボジアを選んだ。
建設地は首都プノンペンの南約200キロにある海辺の街ケップ。2年前、コショウ畑やマンゴー畑が広がる地域に約4ヘクタールの土地を購入した。孤児のほか、育児放棄した親と暮らせない子どもなど15人前後が暮らす施設にする。入所する子どもの情報は、現地の従業員や行政と協力して集める。
施設のそばにコテージや食堂、プール、露天風呂などを備えるリゾート施設を建設。滞在者の利用料(宿泊費、光熱費や食費)は月額10万円で、この収益から孤児の生活費を賄う。子どもたちには日本語を教え、将来は日本で不足している介護や看護の人材として活躍してくれることを望む。
10年がかりの計画を実現させるために、日本とカンボジアを行き来する西村さん。「自分が死ぬまでに数十人の子どもを育てることができるのではないか」。少しでも多くの孤児の未来を開くため、カンボジアに骨をうずめる覚悟だ。 (吉田修平)
写真:カンボジアの孤児院建設予定地で重機を動かす西村繕久仁さん=今年2月(西村さん提供)
2017年5月27日 西日本新聞