カンボジアに暮らして

カンボジアのお盆「ボン・プチュン・バン」

一年の中でカンボジア人にとって最も重要な仏教行事の一つ、「ボン・プチュン・バン」が行われました。日本のお盆と同じで、祖先祭祀の意味をもつ仏教儀礼です。太陰暦の10月の満月の日から15日間にわたって行われ、陰暦15日を挟む前後の3日間が祝日となっています(今年は10月7日から9日までが祝日)。仕事や学校は休みで、プノンペン等の都会で暮らす人々もみんな帰省して、家族や親戚と寺院や行楽地に出かけます。


一般的に、カンボジアの人々はこの期間に寺にお参りして僧侶に食施や寄進をします。そのうちの1日は、夜明け前に寺の周りを回りながら団子状に丸めた餅(クメール語でバーイ・バン)を投げ、地獄で飢えや乾きに苦しみさまよう霊を慰めます。七つ以上の寺を訪問することが望ましく、さもないと先祖の霊が激怒して子孫に不幸をもたらすと言われますが、みんなそれ程気にしていないようです。


プチュン・バン初日に、私も近所のご家族とカンダール州のお寺に出かけました。みんなが僧侶に食施をするので、この時ばかりはお寺はごちそうの山、山、山!もちろん、僧侶だけでは食べきれないので、ちゃんと貧しい人々などに分け与えられます。喜捨によりお金もたくさん集まります。アチャー(祭司)が寄進を受け付け、寄進すると、「○○さんが○リエル(ドル)の寄進をして下さいました!」と、みんなに聞こえるように拡声器で知らせます。そういう訳で、お寺ではアチャーの声が響き渡って大賑わい。露店も立ち並び、たくさんの家族連れでごった返してお祭り騒ぎ。


家族みんなでお寺へ行って徳を積み、家族で記念撮影をして帰る。そういう時間を大切にするカンボジア人は素敵だなぁと思います。


(写真上) 僧侶に食施する家族。アチャー(祭司)が横で僧侶をサポート。
(写真下) 並んだ鉢にご飯を少しずつお供えしていく。

在福岡カンボジア王国名誉領事館

  • 開館日 月曜日~金曜日
  • 閉館日 土曜、日曜、日本の祝日
  • 開館時間 9時半~12時半

年末年始、ゴールデンウィークなどの特別期間は、その都度お知らせします。

開館時間 9:30~12:30
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