
- 開館日 月曜日~金曜日
- 閉館日 土曜、日曜、日本の祝日
- 開館時間 9時半~17時半
(※ビザの申請・発行は12時半まで)
年末年始、ゴールデンウィークなどの特別期間は、その都度お知らせします。

「♪さくらーさくらー」
私の目をまっすぐに見つめながら歌う生徒達。800人の観衆に見守られながら、心のつながりを感じたひと時でした。
カンボジアでは、まだ学校教育に音楽という科目は確立されておらず、音楽の授業があるのは一部の学校にすぎません。わたしたちが支援するカンボジア日本友好学園に、最近合唱部が発足しました。今回はそのメンバーを中心に合唱の指導し、全校生徒の前で発表するため、3月にカンボジアを訪れました。
高温と砂埃の中で始まった練習。まず感じたのは発声法の違いでした。短期間で二部合唱にまでたどり着けるのかと不安でした。「日本の歌を教えるなんて、実はおせっかいなのでは?」と、まるで自分が“教えさせてもらっている”ような気分になることもしばしばでした。
生徒たちの休日の過ごし方は、農業の手伝いや弟や妹の面倒を見たりすることで、音楽の練習をすることが強制であってはならないと思いました。しかし言葉が通じない分、心で接し合うしかないと気づいてからは、むしろ音楽の力を借りてうちとけていった気がしました。最後の練習では、歌声を聴いた私が思わず「プカエ(上手!)」と叫ぶと、みな嬉しそうに笑ったことを思い出します。
合唱を発表する本番は見事に大成功でした。終りのほうでは、観衆まで一緒になって歌い、踊り出したのです! まさに言葉を必要としない一体感。自信に満ちた生徒の笑顔に、音楽する喜びと感謝の思いが溢れ出しました…。
最後の挨拶で、わたしは感極まり、口をついて出た言葉は「また、ここに帰ってきます!」でした。大歓声が上がり、これまでの迷いが全てふっきれた瞬間でした。
写真上:コーラス指導の後、生徒となごやかにひととき。
写真中:「アイコンタクト!」発表会中、生徒達の顔を見回しながら伴奏。
写真下:コーラス部メンバーに囲まれて。
2010年3月30日
NPOカンボジア教育支援フロム佐賀
会員 坂井 加奈