半田スカラシップ・カンボジア遊学生企画 レポート

【第14期】Battambangでラグビー教えてみた

<遊学の狙い>

私は今回、ラグビー普及とカンボジアの医療現状の理解を目標に遊学を実施しました。
まずラグビー普及についてですが、私はこれまで12年ほどラグビーをしてきており、まだラグビーの普及していないカンボジアで、子どもたちに対してラグビーを普及し彼ら彼女らにとって少しでも楽しみ方の選択肢が増えてほしいと思い計画を立てました。
また、東南アジアの中でも医療環境の特に整っていないカンボジアで、将来自分がどう関わっていくのかを見据えて、現状の医療環境をしっかりと視察し、将来に活かそうと思い病院を訪問いたしました。

<体験・学んだこと>

私は、カンボジア北部のBattambangという都市に行き、The Handa Academyという小学校に1週間滞在しました。そこでは、日常の給食や先生たちとのコミュニケーションに加え、ラグビー(Sports class)、日本(English class)、傷害後手当についてクラスを担当し、1週間で計7コマを授業という形で現地の先生のサポートもありながら担当させていただきました。ラグビーの授業では、子どもたちの年齢に合わせてラグビーボールの扱い方、ミニゲーム、キック練習などを教えました。日本についての授業では、日本の場所、食べ物、言語についてプレゼンテーションを行い、それをもとに生徒たちとコミュニケーションを取りました。傷害後手当については、生徒だけでなく現地の教職員も対象に、傷害後のRICE処置(Rest, Icing, Compressing, Elevating)を解説し、デモンストレーションを行いました。

次に、同じBattambangのThe Handa Medical Centerに1週間滞在しました。この病院は外傷治療を中心に、整形外科、消化器外科、内科全般領域の疾患において地域に根差し診療を行っており、半田先生という日本人が出資し創立した病院でした。私は1週間、朝の内科回診、救急科訪問、外科手術、内科外来を先生に同行し見学しました。特に外科手術では主に整形外科、消化器外科の手術を1日2~3件見学し、大変学びの多い時間とすることができました。

<展望>

アカデミーでは、子どもたちの学ぶ意欲に大変感銘を受けました。The Handa Academyでは、毎年100人ほど入学希望者がいますが、先生たちの面接と家庭訪問を経て特に家庭の貧しい子供を選考し入学を受け入れているそうです。そうして入学した子供たちはとてもいい意味で学びに飢えており、私が教えた日本の授業でも、とっつきやすいはずの日本の食べ物や名産物ではなく、言語に最も興味を持ち、英語だけでなく日本語も覚えたいという子どもがとても多くいました。休み時間にも私に沢山日本語について質問してくれ、とても嬉しかったです。この学ぶ姿勢は日本人も参考になりますし、これからのカンボジアの教育の未来も明るいと強く思わせてくれました。また、ラグビーの授業では、スポーツクラス担当の先生から「ラグビーのやり方は分かった。これからもやっていける。」と言ってもらえ、私が帰国後もカンボジアの子どもたちの間でラグビーがより盛んなものになっていく兆しを見ることができました。
メディカルセンターでは、まず内科診察で感じたのが、患者の疾病が特に感染症領域で日本と異なっていることでした。特にツツガムシ病やB型肝炎など、日本ではさほど患者の多くない病原体に多くの人々が感染し往診していることには驚きました。そして最も驚いたのが、外科手術の執刀医が外国籍の医師しかいないことでした。私が手術を見学した症例は全てウクライナ人とアメリカ人の外科医が執刀していました。聞くと、彼らは長年カンボジアで外科医として働いており、数多い外科疾病の手術と現地医師の育成を担当しているとのことでした。そこで私は、この国はまだまだ他の国のサポートのもとに成り立っており、逆に言えば自分も将来この国で支援を行う見通しがとても鮮明に立てられると感じました。確かに、街中を見ても様々な国との共同プロジェクトで建てられている建物や橋が多くありました。

また、手術の中では医療用の資材ではなく、より安価な別用途のものを代用する場面が多くありました。これは、安全性は多くの論文で証明されているものの先進国ではそのレギュレーションの厳格さ故に使用されていないもので、インドや他の途上国で手法を学んだ外科医がカンボジアでも利用していました。私はここから、様々な国で多様な医療を経験し他の国で適応可能なスキルや知識を持つことの有用性を強く感じました。またそれに加えて英語で医療が行えることで自分の選択肢が大きく広がることを実感しました。
今回のカンボジア遊学の経験を活かして、医師として、また途上国支援を志す一人の人間として、様々な選択肢を持ち、またそれを支える土台となる言語力、知識、モチベーションを磨いていこうと強く感じました。
最後に、今回の遊学を支えてくださった日本、カンボジアの関係者の皆さま、遊学中に会った仲間たち、支えてくださったすべての人に感謝を申し上げたいと思います。
有難うございました。

第14期生 佐藤 航大 長崎大学医学部医学科

在福岡カンボジア王国名誉領事館

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